心の指針ルーレット



【眠れる人は正義を知らず】

争いごとを好まないのは、
人間としての美質だ。

平和は耳にここちよい調べだ。
一つの町に、
一人の人しか住んでいなければ、
争いもなく、
心静かに人は生きられるだろう。

けれど人は淋しくなり、
群れをつくり、
掟をつくり、
愛を育みつつ、
集団を害する者を憎み始める。

民族が分かれ、
信条が分かれ、
政治にも、経済にも、
国としての違いが現われてくる。
すると人々はライバルに嫉妬し、
敵に差をつけようとする。

愚かな指導者は、
内政のツケを、
外国の責任だと訴える。
かくして紛争や戦争が始まる。

だが眠っていてはいけない。
おとなしく隷属すれば、
平和がやってくると思ってはいけない。

智慧ある者は、
必ず正義に目覚める。
眠れる人は、
いまだ正義を知らないのだ。

(心の指針140)

ルーレット回転