心の指針ルーレット



【人生はドラマか】

一文字、一文字、
この文章を書いている。
もうすぐ紙の本は絶滅し、
電子書籍だけになると予言する科学者もいる。

そうかもしれない、とは思う。
十万、二十万と集めた蔵書と共に、
私の人生もタイタニック号のように、
やがて轟沈してゆくのかもしれない。

しかし、
何だろう、この虚しさは。
電気と金属で創られた文明が、
なぜか蜃気楼のように思えるのだ。

数十年の昔、
コンピュータの図表に、
数字を打ち込む作業に空しさを感じて、
私は出家した。

コンピュータは、
霊についても、
あの世についても、
天使についても、
悪魔についても、
本当のことは教えてくれなかった。

私は『太陽の法』を、
一時間に二千字の速度で書いていった。
それは仏陀の霊筆による自動書記によるものだった。
やがて一千万人以上の人がこの本を読んだ。

人生はドラマである。
とても効率の悪いドラマである。
馬鹿だと思われた人が、
最後には勝利することもある。

(心の指針142)

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